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Posted by チェスト at

2010年11月30日

子供フェスティバルで「序の舞」


 先日(11/28)宮崎県日向市で「子供フェスティバル」が行われ、花柳流指定舞踊の「序の舞」が披露されました。
 踊り手は「花柳絹彩」
 衣裳は、上村松園の絵画(重要文化財)「序の舞」と同じこしらえで、裾引きの着付け。
 帯は丸帯で二枚羽根の「立て矢」結び。
 絵画では締めていませんが、踊りの場合は抱え帯をします。
 踊りでは、絵画と同じ形で幕となります。(写真)
 花柳絹彩先生の踊りが終わると、参加者のみんながさかんな拍手を送っていました。
 踊りのあとで挨拶した絹彩先生は、「私の踊りの裏では、たくさんのスタッフの皆さんのご協力があるのです。」と日本舞踊が総合芸術であることを強調されていました。こんな舞踊家がたくさんいらっしゃると、舞台裏の私たちもがんばれます!。
 今回の仕事は後ろ…(二枚目)。前を着付ける衣裳方(芯)と息を合わせて完成させます。
 『補整、二部式襦袢、裾引きのきもの、帯結び』…普通の場合、きつけ時間は15分~20分ほど。
  


Posted by 衣裳 at 11:03Comments(0)舞踊の着付け

2010年11月27日

日向で「序の舞」の着付け


 日向市の大王谷体育館で日本舞踊を披露
 11月28日(日)、【第三回大王谷地域子供フェスティバル】が行なわれます。
 その中で、花柳絹彩先生が、大和楽「序の舞」を踊られます。
 着付けは、「裾引き」に、二枚羽根の「左立て矢」結び。私も着付けに伺います。

 「大和楽・序の舞」は、花柳流の制定舞踊曲
 明治8年京都に生まれた、女性初の文化勲章受章者…「何ものにも犯されない女性の内に潜む強い意志をこの絵で表現したかった。」との想いで描いた「序の舞」の作者…上村松園は、多くの美人画を世に送り出した。
 昭和59年2月の山本富士子帝劇特別公演『序の舞』の大詰めで演じられた大和楽…、花柳流の制定舞踊曲でもあります。
 ◆写真左側は、重要文化財「序の舞」です。
 ◆写真右側は、日向で着付ける「衣裳と帯」です。  


Posted by 衣裳 at 17:14Comments(0)舞踊の着付け

2010年11月25日

日本舞踊を支える裏方…狂言方さん

 日本舞踊を支える裏方さんをご紹介しましょう。
 日本舞踊の舞台裏では、多くの裏方さんがヒノキ舞台を支えています。
 顔師、衣裳方、床山、大道具、小道具、照明、音響、後見、狂言方、司会者、進行係、その他にもいっぱい働いています。
 ですから、日本の芸術文化の代表的な日本舞踊は、伝統が支える総合芸術です。

 総監督…狂言方さん

 日本舞踊のプログラムをみると、大きな発表会のスタッフ蘭には、必ず「狂言方」のお名前が書いてあります。
 狂言方のお仕事は、ひとことで言うと「舞踊の会の総監督」です。
 プログラムの演目や踊りの内容、各演目や幕間にかかる時間の調整、幕を下ろしたり上げたりするタイミング、舞踊の会のあらゆる進行について指示決定をする方です。
 踊りを観に行って、狂言方を探すのなら、幕が上げったり下がったりする時に、「チョン」と拍子木《柝()と言います》を打つ方が狂言方です。
 狂言方の柝が入らないと幕は上がらないし下りないのです。
 いろんな踊りを知っていて、会の成功に欠かせないプロフェッショナルですね。

 能の狂言方と、歌舞伎や日本舞踊の狂言方は意味が違います。お間違えのないように…
 柝とは、拍子木と音の両方を差してそう言います。  


Posted by 衣裳 at 19:30Comments(0)舞台裏

2010年11月19日

今では珍しい両褄模様


 知り合いの方がお持ちになっていたきものが珍しいので、ご紹介します。
 これは「江戸褄両褄模様の黒留袖」です。
 日本のきものの歴史で、写真のようなきものが出てくるのは、天明(1700年代の後半)の時代です。
 
 このきものはおそらく大正から昭和の初めの頃のものと思われます。
 下前、上前の両方に柄があり、その裏の共裾にも柄が入っています。
 裏地は眼もさめるような「紅絹(もみ)の生地」を使っています。
 ①きものの全体写真。(真っ赤な紅絹が見えますね) ②両褄(表)  ③両褄(裏)
 江戸時代の後半に出てきた江戸褄模様は、京都島原の島原模様に対しての柄だと言われます。島原模様にはお目にかかっていませんが、左の衿先から上前にかけて模様があるのだそうです。左のイラストは、島原褄で、赤の部分は柄…
 きもの文化の中で、きものや歴史が薄らいでいき、こんな素敵なデザインのきものが、ひと山いくらで買い取られ、切り裂かれていくことは淋しいものです。
 古いきものをお持ちの方は、一度見せて頂いて、価値あるものなら大切に残して頂きたいものだと思います。  


Posted by 衣裳 at 17:13Comments(0)きもの全般

2010年11月19日

ある舞踊会のスタッフを紹介します。


 これまで、舞踊の表舞台を支える舞台裏を紹介してきましたが、平成22年11月に宮崎で行なわれた、ある「舞踊の会」の舞台裏を支えたスタッフを列記してみます。
 
 衣裳・上嶋衣裳店(京都)、 床山・酒井かつら店(京都)、 顔師・那須裕生(宮崎)、
 着付・きつけ塾いちき(宮崎)、 小道具・人形新(京都)、 狂言方・生越慎一(京都)、
 大道具照明・宮崎舞研(宮崎)、 音響・加藤進矢(福岡)、 司会・井上貴子(宮崎)
 後見・坂東寛之介 大谷友彦

 多くのスタッフで創る総合芸術であることがわかりますよね。
 写真は、演目別に衣裳を揃えていく衣裳方スタッフ。  


Posted by 衣裳 at 12:19Comments(0)舞台裏

2010年11月18日

日本舞踊を支える裏方…照明さん

 これから、日本舞踊を支える裏方さんをご紹介しましょう。
 日本舞踊の舞台裏では、多くの裏方さんがヒノキ舞台を支えています。
 顔師、衣裳方、床山、大道具、小道具、照明、音響、後見、狂言方、司会者、進行係、その他にもいっぱい働いています。
 ですから、日本の芸術文化の代表的な日本舞踊は、伝統が支える総合芸術です。

 照明さん


 舞台は、明るい照明…暗い照明…素敵な光りで雰囲気を作り出します。
それぞれの踊りに合わせた照明で、すばらしい舞台を演出するのも照明さんの仕事。
 現代では、照明さんにいない舞台など考えられないことです。
 写真は、照明用のライトを天井から下ろして、これからの舞台のセッティングをしているところです。
 江戸時代の歌舞伎などのお芝居は、明るくなってから日没まで行なわれていました。
 なぜかというと、太陽の光を窓から取り入れて芝居の照明に使っていたためで、暗くなったら芝居が出来なかったわけですです。
 ですから夜の場面などは、光取りの窓を閉めて、舞台は大きなロウソクを灯して雰囲気を演出していたわけです。
 香川県の「金丸座」や、熊本県の「八千代座」などは、歴史のある芝居小屋ですが、実際に行ってみると、外から光を取り入れた当時の照明の様子がよくわかります。  


Posted by 衣裳 at 04:09Comments(0)舞台裏

2010年11月16日

昨日は、「舞踊の会」で着付けました。

  古典など…36演目


 昨日、古典・新舞踊など36演目の「舞踊の会」が行われました。
 着付けをする「衣裳方」は、基本的には前と後ろの二人で着付けます。
 前を「芯」、後ろを「二枚目」といいます。
 京都から借りる本衣裳で本格的に古典を踊る場合などは、演目の内容を知っていないとなかなか着せられません。
 昨日の「会」の演目は、「君が代松竹梅」「藤娘」「正札附」「初時雨」「羽根の禿」「おせん」「夕立」「扇獅子」「水仙丹前」などの古典舞踊と、小曲含めて、36演目でした。
 当日は朝食をしっかり食べて、臨みました。やっぱり予想通り昼食は午後4時過ぎ…。
 一門の皆さま、ありがとうございました。
 好きだから出来る仕事です。  


Posted by 衣裳 at 09:49Comments(0)舞踊の着付け

2010年11月15日

日本舞踊を支える裏方…小道具さん

 これから、日本舞踊を支える裏方さんをご紹介しましょう。
 日本舞踊の舞台裏では、多くの裏方さんがヒノキ舞台を支えています。
 顔師、衣裳方、床山、大道具、小道具、照明、音響、後見、狂言方、司会者、進行係、その他にもいっぱい働いています。
 ですから、日本の芸術文化の代表的な日本舞踊は、伝統が支える総合芸術です。

 小道具さん

 小道具とは、主に演者が直接手に持ったり身につけるものとあらかじめ舞台にセットされているものの、二つに大きく分けることができます。
 刀や鎧、「持ち物」といわれる草鞋や下駄などの履き物、舞台の上に飾られている家具や掛け軸などもすべて小道具です。また馬や犬などのぬいぐるみ、駕籠などの乗り物も小道具です。
 大道具で作られた大きな木に生えている枝を俳優が折って使うとします。木の本体は大道具ですが、枝は俳優が直接手に取って使うので小道具ということになります。
 歌舞伎座などの小道具さんでは、藤浪小道具(株) が有名です。
   


Posted by 衣裳 at 18:53Comments(0)舞台裏

2010年11月12日

日本舞踊を支える裏方…大道具さん

 これから、日本舞踊を支える裏方さんをご紹介しましょう。
 日本舞踊の舞台裏では、多くの裏方さんがヒノキ舞台を支えています。
 顔師、衣裳方、床山、大道具、小道具、照明、音響、後見、狂言方、司会者、進行係、その他にもいっぱい働いています。
 ですから、日本の芸術文化の代表的な日本舞踊は、伝統が支える総合芸術です。

 大道具さん

 舞台の上から景色が下がってきたり、踊る人の後ろにある大きな木などを取り付ける人たちは「大道具」さんです。
 舞台装置の中で、歌舞伎座、南座、博多座、御園座などの舞台はもちろん、文化財としても貴重な金丸座(香川県)や八千代座(熊本県)などにある回り舞台(蛇の目とも言います)は、江戸時代に考案された日本独特のものです。
 今では世界中で舞台転換の際に使われているこの装置、日本人の芸術文化の高さを伺わせます。
 日本舞踊の時には、この舞台の裏で、次々に転換する後ろの大きな背景を、いとも簡単に取りかえる大道具さんのお手並みには舌を巻くばかりです。  


Posted by 衣裳 at 03:49Comments(0)舞台裏

2010年11月10日

日本舞踊を支える裏方…床山さん

 これから、日本舞踊を支える裏方さんをご紹介しましょう。
 日本舞踊の舞台裏では、多くの裏方さんがヒノキ舞台を支えています。
 顔師、衣裳方、床山、大道具、小道具、照明、音響、後見、狂言方、司会者、進行係、その他にもいっぱい働いています。
 ですから、日本の芸術文化の代表的な日本舞踊は、伝統が支える総合芸術です。

 床山さん



 お化粧と着付けが終わったら、最後にカツラや笠などのかぶり物をつけて完成です。
 舞台の一ヶ月くらい前に、それぞれの頭の大きさに合わせてカツラを合わせる事が必要です。
 「カツラ合わせ」と言います。カツラの入った段ボールが山積みになっているのがわかりますか。踊る人の頭の寸法に合わせていろんな形のものを持ってきて合わせますから、大変な作業ですよね。「カツラ合わせ」の後も、髪の毛が伸びたり、頭の大きさも痩せたり太ったりしますから、大きさが変わる可能性があるのです。
 床山さんの仕事は、踊りの前までには、ほぼ完成しているわけですね。  


Posted by 衣裳 at 16:50Comments(0)舞台裏

2010年11月09日

日本舞踊を支える裏方…衣裳方さん

 今回も、日本舞踊を支える裏方さんをご紹介しましょう。
 日本舞踊の舞台裏では、多くの裏方さんがヒノキ舞台を支えています。
 顔師、衣裳方、床山、大道具、小道具、照明、音響、後見、狂言方、司会者、進行係、その他にもいっぱい働いています。
 ですから、日本の芸術文化の代表のひとつでもある日本舞踊は、伝統が支える総合芸術です。

 衣裳方さん



 顔師さんにお化粧してもらった人が次に行くのは、「着付けさん」です。きれいなきものを着せてもらうところで、「衣裳方」とも言います。江戸時代の物語の踊りが多いので、着付けも独特です。
 古典舞踊などは、江戸時代からの歌舞伎衣裳に準ずる、松竹衣裳の「歌舞伎衣裳附帳(かぶきいしょうつけちょう)」などに基づいた、「歌舞伎舞踊」のために仕立てたきもの(本衣裳)を着ます。
 もちろん、歌謡曲などの曲に合わせて踊る、新舞踊(小曲とも言う)などは自前の衣裳を着る場合も多く、私などもよく承っています。

 (写真は、古典舞踊「藤娘」の、裾引き衣裳を着せる衣裳方)
 踊り手は、小学校4年生の男の子です。  


Posted by 衣裳 at 01:24Comments(0)舞台裏

2010年11月08日

日本舞踊を支える裏方…顔師さん

 これから、日本舞踊を支える裏方さんをご紹介しましょう。
 日本舞踊の舞台裏では、多くの裏方さんがヒノキ舞台を支えています。
 顔師、衣裳方、床山、大道具、小道具、照明、音響、後見、狂言方、司会者、進行係、その他にもいっぱい働いています。
 ですから、日本の芸術文化の代表的な日本舞踊は、伝統が支える総合芸術です。

 顔師さん

 踊りに合わせたお化粧をする人です。
 先ず踊る人は、石鹸でしっかり顔を洗って…顔の油分を取り、顔師さんの所でお化粧をしてもらいます。



 古典舞踊では、一般的に白塗りと言って歌舞伎役者がお化粧するのと一緒です。
 踊りの演目によって、作る化粧は全く違ってきます。
 カツラをのせる時には、羽二重というかぶり物(上の写真)をして、髪の毛を抑えますし、自髪では化粧の内容も違ってきます。
 


 「連獅子」などの踊りが出ると、顔に上のような「隈取り」というお化粧も致します。
 上手な顔師さんになると、70歳くらいの方が、町娘に変身するから驚きです。
   


Posted by 衣裳 at 00:50Comments(0)舞台裏

2010年11月07日

刀の下緒(さげお)の結び方

 下緒(さげお)の結び方がわからない!


 日本舞踊の時に刀を差して踊る場合がありますが、刀の下緒が解けていて、うまく結べない場合があるようです。

 一般に使う舞踊の刀は、下緒があまり長くないので、覚えておくと便利です。


 写真でご紹介しますので、頑張って覚えてみてください。

 覚えると簡単なようですが、すぐ忘れてしまいますので、機会があれば実際に結んでみて下さい。

 一番いいのは、最初に結んだ時の順序を、写真かイラストで残して、手帳にでも貼り付けておくと、思わぬところで役に立つものです。  


Posted by 衣裳 at 01:43Comments(0)舞踊の着付け

2010年11月06日

股旅のきもの姿…その4

 新刀鍛冶、池田鬼神丸を一本差して、こぼれ松葉の手拭いを首んとこに引っかけて、右の手に要の取れた扇子を一本持っていたそうです。


新刀鍛冶、池田鬼神丸を一本差して➠ 新しい刀鍛冶師、池田鬼神丸の鍛えた刀を一本差して

こぼれ松葉の手拭いを首んとこに引っかけて➠ 「こぼれ松葉」模様の手拭いを首に巻き付けて

右の手に要の取れた扇子を一本持っていたそうです。➠ 要(かなめ)のとれた扇子を右の手に持っていたそうです。

 以上、森の石松の一席でした。  


Posted by 衣裳 at 18:50Comments(0)舞踊の着付け

2010年11月03日

11月23日に奉納踊り…花尾神社

荘厳な社殿で

 「小粋におごじょ」のブログで、「花尾神社」の奉納踊りの記事が出ていました。



 現在では、神社で歌舞伎をしたり踊りをしたりしませんが、幕府の厳しい規制がされていた江戸時代は、大芝居と言われる江戸四座(やがて山村座が潰されて三座になる)以外、芝居や踊りの公演を、簡単には許可しませんでした。
 ですから、小さい芝居小屋は神社の境内で、規制の網をくぐって、奉納芝居として行なっていたのです。

 最近では、2008年10月15日…松本幸四郎丈の「勧進帳1000回」東大寺記念公演が話題になりました。

  「小粋におごじょ」の記事によると、「吾妻成莉穂」一門が、島津家発祥とゆかりの深い「花尾神社」で「島の千歳」が演目とのこと。

 「島の千歳」は明治37年の開曲で、他の流派とは異なる吾妻流独特の衣裳仕立てで踊られると思いますので、乞うご期待ですね。  


Posted by 衣裳 at 02:52Comments(0)お祭りと衣裳

2010年11月03日

股旅のきもの姿…その3

 次のセリフに移ります。

 千種の半股引、同じく山の付かない脚絆、素足に草鞋、きものの裾を三方高く端折って
 千種(ちぐさ)の半股引➠千種と言うのは、色の名称です。一般には、「藍があせたような、うすい青色」と思って頂くとわかります。
 同じく山の付かない脚絆➠「山」とは「縞」の事だと思われます。藍で染めた木綿の糸を使って平織りした、縞模様もわからないほどの、あるいは無地の脚絆の事です。
 素足に草鞋(わらじ)➠これは言葉どおりですね。
 きものの裾を三方高くはしょって➠きものの三方とは、両脇と後ろを言います。これを端折るのですから、いわゆる「尻っからげ」ですね。

 いかがですか? 色や形が想像できましたか。  


Posted by 衣裳 at 01:59Comments(2)舞踊の着付け

2010年11月01日

股旅のきもの姿…その2

 「股旅のきもの姿その1」で書いておいたセリフを普通の文章に書き直してみました。
 あくまでも私の考えで書いたものですから、心もとないのですが…

 「その時の、石松の姿が、白の蛇型の単衣、紺の一本独鈷、手綱染めの上三尺、千種の半股引、同じく山の付かない脚絆、素足に草鞋、きものの裾を三方高く端折って、新刀鍛冶、池田鬼神丸を一本差して、こぼれ松葉の手拭いを首んとこに引っかけて、右の手に要の取れた扇子を一本持っていたそうです」

 白の蛇型の単衣、紺の一本独鈷、手綱染め(たづなぞめ)の上三尺

 白の蛇形の単衣と言いますから、白地に蛇のうろこ模様の単衣のきものを着て、締めている帯は、角帯の裏に一本線の染めてあるものがあるますが、「一本独鈷」と言います。これを締めているわけです。

 手綱染めの上三尺…「股旅のきもの姿…その1」の写真を見て下さい。
 旅で角帯がゆるまないように、上からしっかり締めている細帯の事を言います。
 三尺と言いますから、最初は一巻きだけだったのでしょうが、やがて二巻きになったと思われます。
 このセリフでは、上締めの染め模様が「手綱染め」だったわけですね。
 こうして見ていくと、情景が浮かぶし、舞踊の着付けをするときに、気持ちが乗ってくるように気がしてきませんか。
  


Posted by 衣裳 at 01:24Comments(0)舞踊の着付け