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Posted by チェスト at

2012年10月23日

着付けの師、岸田喬先生が亡くなられました。

山田五十鈴の衣裳方として
最後の大女優と言われた、「山田五十鈴」さんが、7月9日(月)に亡くなり、その三ケ月後の10月1日(月)、「山田五十鈴」さんの衣裳方を20年以上も勤め、常務取締の役職を最後に、松竹衣裳を退任された岸田喬氏が亡くなられました。
私どもが30年もの長い間教えて頂いた大切な恩師でもあります。


嬉野温泉の着付けが最後の指導に…
松竹衣裳をお辞めになってからも、お互いに1週間に1度はお電話でお話をして、優しく着付けのあれこれについて教えて頂きました。
8月26日(日)開かれた、嬉野温泉芸妓衆の「舞踊の会」の舞台裏の仕事で写した279枚の写真を送り、しばらくして岸田先生から、9月16日付けの絵入りのお手紙を頂いたのが最後になりました。
私が電話で指導を頂いたのは、亡くなられる4~5日まえのことです。
日本の舞台衣裳の第一人者で、私達の大切な指導者を失ったことが残念でなりません。


心からのご冥福をお祈り致します。
「芸者は直線や…曲線はアカン…」、「キッチリ締めなんだら、団十郎も猿之助も仕上げれへん…」、「歌舞伎衣裳で、梅川の着付だけは帯締めを…」、「花柳後見は、ここが大切なんやで…」、「正札附の曾我五郎の先代の松緑さんの形は…」。
岸田先生から教えて頂いたことは数知れません。
訃報に心が萎えそうですが、江戸文化の着付けと時代考証を守り育てることが恩返しだと決意して、日本舞踊をはじめとする着付けの向上にまい進いたします。
岸田先生、これまで本当にありがとうございました。安らかにお休みください。

「新燃岳監視映像」 http://kirishima-live.jpn.org/
「今日の桜島」映像 http://373news.com/_sakucap_ss/index.php  


Posted by 衣裳 at 11:05Comments(0)着付け師・衣裳方

2012年10月20日

仕事に必要だから作りました。/糸巻き器と糸繰器

着付けにとって欠かせない、針と糸。
舞踊の着付けは、普段のきものの着付けとかなり違います。
両手を広げたり、足を大きく開いたり、床に崩れたり、演目によっては床を転げる場合だってあります。
ですから、きもの(着付)が崩れないように留めておかなければならない場所があるわけです。
着崩れしない方策はいくつかありますが、針と糸を扱えることは絶対条件のひとつです。
若いうちはいいのですが、針の糸が通しにくくなった私は、若い人以上にスピーディに糸をとおす工夫をしなければなりません。

まずボビンに巻き替えるところから
買ってきた糸(写真左側)を丸いボビンに巻き替える必要がありましたが、販売している糸巻き器が見つからず(掛ける資金もないので…)自作・手動の糸巻き器(写真右)を作りました。
使ってみると、かなりなスピードで巻き取るので重宝しています。

ボビンに巻いたら糸繰器へ…
糸が短くなって針に付け替える時に通らないと焦ってしまいます。
そこで、自動的に針穴に通してくれる市販の糸通し器を取りつけ、糸繰器(自称…下の写真)を作ったわけです。
まだ改良中ですが、糸が行方不明になったり、疲れ目で針穴が見えなかったりが全くありませんし、使い勝手はなかなかのものです。
どうして使うかは想像してみて下さい。

道具は自分で作るもんだ
「職人の道具は自分で作るもんだ」とは、伊勢型紙や絞りなど、知り合った多くの職人さんが異口同音に教えて下さったこと。
私以外、着付けの部隊はすべてが女性。
力が無くても、仕事の出来る道具。粗末でも、より早く、より簡単に、よりきれいに、より効率的に、男性並みの仕事が出来る道具作りを目指しています。

「新燃岳監視映像」 http://kirishima-live.jpn.org/
「今日の桜島」映像 http://373news.com/_sakucap_ss/index.php  


Posted by 衣裳 at 00:29Comments(0)着付け師・衣裳方