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Posted by チェスト at

2011年07月26日

古典舞踊の着付けあれこれ

正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)
 8月21日(日)に「舞踊の会」があり、古典舞踊のいくつかの着付けを担当します。
 担当する演目は、「正札附根元草摺」と「英執着獅子」などで、ことに「正札附根元草摺」は、大きな舞台ではよく踊られる歌舞伎舞踊のひとつです。俗に「草摺引」と言われるものです。
 いまの時代ではあり得ないことですが、仇討物で、縁起物として江戸時代から演じられてきました。
 歌舞伎では、仇のいる場所がわかり、仇討に血気のはやる若者(曽我の五郎)と、「今その時期ではない」と押し止める小林朝比奈とが、鎧(ヨロイ)の腰の部分(草摺り)を引き合うという場面を舞踊化したものです。
 歌舞伎と違って日本舞踊では、女性の舞踊家が多いためか、小林朝比奈という男性でなく、朝比奈の妹の「舞鶴」との引き合いを踊りで演じて見せるのが多くなっています。今回も五郎と舞鶴で着付けます。

五郎の帯は蜻蛉(トンボ)結び
 さて、五郎の着付けですが…
 きものは、黒繻子地、綿入力揚げ付きに、金銀の縫取りの飛び蝶柄で、「東からげ」に着せて、は、海老茶色の繻子の大きな丸ぐけを蜻蛉(トンボ)結びにします。
 襦袢は、緋縮緬の「鎌○ぬ(かまわぬ)」文様の金糸縫い。
 小裂は赤の踏ん込み(ふんどし)に赤の手筒(手甲)です。

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Posted by 衣裳 at 02:02Comments(0)着付け師・衣裳方

2011年07月11日

日本の文化を吹き込む「イタリア公演」

文化の誤認を書き換え…世界初演の蝶々夫人
 来る8月6日(土)、11日(木)、18日(木)の三回のわたって、イタリアのプッチーニフェスティバルに日本のオペラが参加することになりました。
 今回の公演の特徴は、百年以上前にイタリアのプッチーニが書いた「マダマ・バタフライ」(蝶々夫人)を、日本人の台本と演出で行なうことです。
 演出は、日本のオペラ歌手として有名な「岡本喬生」氏。(写真)

 これまでの原本の演出は、長崎港の向こうに富士山が見える。下駄を履いたままで家に入る蝶々夫人。樹木の枝にある、まるでゴリラが住むような蝶々夫人の自宅。日本人が見ると考えられないような舞台設定でした。

 70年の著作権の期限は切れたいま、岡本氏の長年の活動を受け入れ、イタリアのプッチーニ・フェスティバル財団総監督の提案で、誤認されている日本の文化の表現を書き換え、日伊共催・原イタリア語での世界初演が実現したものです
私共も、芸者の着付けの指導でご縁をもたせていただきました。

募金も募っています上演資金ご協力のお願い http://www.minna-no-opera.com/pdf/2010_bokinsyuisyo_itaria_cyocyo.pdf 

 公演までの活動も大変らしいのです。
 衣裳・和風家具・小道具・運搬費用・裏方・役者の報酬・渡航・滞在費・下見などの負担費用が六千万にのぼるらしい。大変な挑戦であるが、大成功すると信じています。


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Posted by 衣裳 at 10:45Comments(0)オペラ

2011年07月08日

北斎漫画と浴衣の着付けで夏季セミナー

楽しい北斎漫画で江戸文化を…
 7月6日(水)に夏季セミナーがあり、前半の講義で「北斎漫画」を観ることで、江戸時代の民衆のきもの文化を楽しんで頂いた。
 葛飾北斎の「北斎漫画」は、200年前の江戸時代の風俗の証言者であり、楽しく学べる資料であるからです。

浴衣の着付けのいろいろ
 浴衣の着方でもいろいろあります。
 浴衣の実技編では、三種類の浴衣姿をご紹介いたしました。
 その中で、日本舞踊と関係のある浴衣姿だけ紹介しましょう。
 鈴木春信や太田蜀山人、小村雪岱の謳いあげた、江戸時代の明和(1760年代)の美人「おせん」。
 日本舞踊の常磐津や大和楽などで踊られる古典の名曲の「お茶屋のおせん」の行水上がりをイメージして、浴衣姿をつくってみました。
 少し薄めの舞台化粧に顔をこしらえ、肌襦袢の赤を効かせて、髪は行水上がりに束ね、衿は少し大きめに抜いて、帯結びは「入り山」(別名、伊達挟み)です。



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Posted by 衣裳 at 20:59Comments(0)浴衣の着付け