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Posted by チェスト at

2012年02月28日

気になる「きものの常識」…?

例えば「喪服の常識」
インターネットのきものの記事の中で、とんでもないTPOを見かけることがあります。和装喪服の説明がその一例で、びっくりすることの連続です。

間違いだらけのアンサー文
「和装の喪服はどんな人が着るのか?」などという質問に選ばれているベストアンサー(模範解答でしょうが…)の文中に
【和装の喪服を着用するのは近親の親族に限られるようです。】とか、
【あなた自身が喪主を務めるか、喪主夫人または喪主夫人に準ずる立場の時だけです。】などの文章がまるで本当のことのように書かれている訳です。

広辞苑では…
「広辞苑」(新村出編・岩波書店)で「喪服」の項を見てみましょう。
『喪中の人、または弔問者が着る薄黒色・黒色の服。ふじごろも(藤衣)。もぎぬ(喪衣)。凶服。』とあります。

弔問者のすべてが着れる喪服
つまり喪服は、葬送の場で旅立つ方への礼儀として、列席するすべての方が着れるわけです。
「きもの文化」を学ばないで、一部の方が憶測だけで書き込むと、とんでもない誤りを犯します。
喪服の「定紋の決まり事」でも間違いがありますが、つぎの機会に書きましょう。
どちらにしても、インターネットで誤解されて広まっていく「きものの常識」には閉口しますね。

「新燃岳監視映像」 http://kirishima-live.jpn.org/
「今日の桜島」映像 http://373news.com/_sakucap_ss/index.php  


Posted by 衣裳 at 19:39Comments(0)きもの全般

2012年02月23日

大切な帯の位置

後見、袴などすべてに位置がある
振袖なども、帯の位置が悪いと若々しさがなくなってしまいます。
舞踊の着付けなどは特にそうで、演目で位置が違うことを知っていないとサマになりません。
後見と袴を考えてみましょう。
後見は男と女の両方を踊り分ける着付けですし、袴や着流しの角帯は、腰骨で締めるのが基本です。
後見の場合、前の帯の位置を少し下げて、セリだしをつくり、胸高には結びません。
また、男の袴や着流しの角帯の位置は腰骨で決めます。
しかしその中でも、男の衣裳を女性に着せ付ける場合とか、道行きなどの演目では、帯を微妙に上目に加減をすることにしています。



女性の着付けも演ずる役で帯の位置が…
演ずる役柄が、素人の女性の場合と、芸者など玄人の女性の場合では、着付けは全く違います。
ですから、舞踊に着付けは、何年勉強しても追い付けないほど奥の深い世界ですし、それだけに新しい発見があって楽しいわけですね。

「新燃岳監視映像」 http://kirishima-live.jpn.org/
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Posted by 衣裳 at 11:43Comments(0)舞踊の着付け

2012年02月18日

リハーサルの夜

とっても大切な「リハーサル」
今日2月17日の金曜日は、ある流派の「舞踊の会」のリハーサルでした。
普通…本番の前日にリハーサルを行なうのがいちばん多いケースなのですが、本番は今度の日曜日。
今回は会場の都合で前々日になったようです。
ところで、私ども衣裳方にとって「リハーサル」はとっても大切で、はじめて出会う踊り手さんの身長はもちろん、細い方かふっくらした方かもわからずに本番に臨むのは、ひとつの冒険です。
踊り手さんにとっても、東京や京都でお借りした「本衣裳」といわれる本格的なきもので踊る場合、衣裳の重さや帯の締め具合を確認出来るわけです。
「リハーサル」は、本番の失敗をさける大切なものなのです。

その夜は…「衣裳の手入れ」が…
リハーサルで使った衣裳や帯、長襦袢などは、かなりシワが出来ていますし、そのままでは本番の着付けに支障がでます。
ですからリハーサルが終わった夜は、すべての衣裳の点検をして、シワなどをとり、本番への準備をするわけです。
写真は、長唄「菊の宴」の本番向けの手入れが終わったところを撮りました。
この演目の踊り手さんは身長が150㎝くらいの方です。しかしこの紫の衣裳は、裾引きの着付けなので、衣裳の長さが2メートル10㎝あります。帯は一文字の作り帯。
いちばん左が胴に巻く帯で、帯にのせてあるのが抱え帯と補整のセット。上に作ってあるのが一文字の作り帯(帯揚げと丸絎の帯〆が付いています…)。
衣裳の右に置いてあるのは上下の襦袢です。
重さはけっこうするんですよ。
























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Posted by 衣裳 at 03:50Comments(0)舞踊の着付け